『絶園のテンペスト』（ぜつえんのテンペスト）の物語は一人の少女の死から始まる。
内容自体は、序盤の展開としては「世界を破滅に導こうとする者達」に孤島に追いやられた魔法使いのお姫様が、世界を救うためにある二人の少年滝川吉野/不破真広の力を借りるというもの。二人の少年はお姫様から限定的ではあるものの魔法の力を授かり、その力で戦いながら世界を救おうとする。
世界の行く末に恋愛が真剣に絡んでおり、「誰が犯人か」「どうすれば解決するのか」といった推理要素もある.大切な人を殺された主人公たちが犯人に復讐するという動機も回想があるのと目的がはっきりしている事で感情移入しやすいし、どんな手を使おうと死んだ人間は取り戻せない事への葛藤とその答えがまた考えさせられて深い。世界を巻き込む壮大なストーリーですが、登場人物たちの関係も丁寧に語られているので、自然と世界に入り込めた。芯の強い主人公たちの発言や行動には常に爽快感が伴う。中でもメインヒロインの一人「不破 愛花」の存在感は稀有だよね。
ちなみに、吉野役内山さんの演技が素晴らしく、押し殺した感情と泣きのシーンは私のお気に入る。